amazonプライム会員で、新しく追加された映画を物色するのが最近の日課です。
みようと思っていたものが不意に目の前に現れた時にえもしれぬ満足感を感じるのですが、今回もやってきました満足感。
【桐島、部活やめるってよ】をみてから頭のなかにあったみたいものリスト。再始動です。
脳内の感情スイッチをピコピコ押されます
テレビの中の【映画枠】がなくなって随分たつ気がします。邦画洋画と毎週のように放送されていたのも過去の話。今ではみずからが映画を選ばなくては多ジャンルの映画に触れれなくなりました。
しかし近年はやってきた映画・アニメ視聴定額サービスで再び日本には手の届く範囲の映画が戻ってきました。
今回アマゾンプライム会員で発見したのが
パーマネント野ばら。タイトルだけではなにやらさっぱり興味も湧きそうにない感じ。ところがどっこい吉田大八監督作品ってなわけでみなくちゃと、頭のリストにはおいていたんです。それがまぁネットでつないですぐみれると。良い時代だわ。
2011年作品ですが私はみたことがなかったし、みられる人は手元のデジタルガジェットをいじればすぐにでも映画をみられるため、ネタバレはなしにします。
先に言いますが、私の大好物の映画でした!
過去の『私』と出会えるという意味では【桐島部活やめるってよ】にも似ている攻め方をしてくるなぁと。監督の作品まじ大好きです!
無条件に魂ごとえぐられて脳の中のスイッチをズドンッ!と押されるさまは【インサイドヘッド】をみている時にも似たような感覚をえました。
関係なさそうなたくさんのパーツが終盤に向けて集まっていき、最後に一つになり畳み掛けてくるさまに「そうきたか!」となります。
主人公は女性ですが、人と人との関わり方。生き方。過去との向き合い方に戦い方。など、普遍性のある部分に焦点をあてているため、あるあるを追体験できます。というか、作品内のキャラクターが妙に生々しくて、非現実的にみえてみんなこうやって生きているよな。と。感じられるわけです。
私のカメラとあなたのカメラと
私が記憶している映像の多くは、私自身の目のレンズを通してうつされたものが膨大に脳内に保管されています。ただしそのすべてが【本当に起こったことの集合体である】かはわからないですよね。
ながく保管された記憶がごっちゃになって改変されたり、辛かった記憶がいつのまにやら変質し良い思い出になっていたり。一方で昨日の食べた朝食でさえ忘れていたり。
記憶なんてそんなもんだし、フィルターかかりっぱなしです。
同じ場所にいても他者がいた場合に同じく映されているとは限りません。
作品ではちょいちょいと過去の私自身との対峙を要求されます。観終わった後もさらに要求されます。私生活もえぐられる感覚がとっても気持よくて、気持ち悪いです。
記憶になる前のリアルタイムの今だって、視点がかわれば世界も変わります。つきつけられるものに今でも考えさせられています。
日常のあるあるが作品への親近感へと
「あいつ、変わってるよな」
「ついていけない」
「ありえないわ」
なんて思うことありませんか?でも、立場を反転させたりまったく違う立ち位置で物事をみたりしたならば、自分を形作る世界そのものが他者から見たらありえない世界であったりついていけない世界であったり。
作品を見ていると自分が生きている世界と地続きであると実感させられます。
作品内のキャラクターがその後どうなっていくのか?
地続きであるのならば、私自身はこれからの生き方のままで良いのか?私自身が映画内のキャラクターではないのか?と自問自答させられます。
昨日は仕事に手がつきませんでした。反省しています。
パーマネント野ばらには劇薬成分も含まれています。
みおわったあとの考えさせられるのが私の好きな映画
結局、映画の感想を友人に話してもやもやを吹き飛ばしたのですが、映画超良かった!とオススメ半分、私が映画から感じ取った成分からの自分の人生の話が半分。
付き合いがながい小学校からの友人だったために、作品内の親友関係と似たようなシチュエーションでの映画感想会となりました。
映画の外にまで影響を与える映画が私好みなのですが、名作の条件のひとつであると思います。
ちょっと期間をあけて、仕事が無い日を選んで映画の世界に再び入り込みたいです。侵蝕率が高い映画。イタ気持ち良い。
主人公以外の作中のキャラクターにフォーカスを当てると違った印象にもなりえる映画。複数のフィルターがからみ合ってできあがっている作品で本当に大好きです。
プライム会員であればもちろん無料です!友人と語りたくなることも間違い無しで損しない一本であります!私はまだまだ語り足りないです。